医療広告ガイドライン-2018年度から医療機関ホームページは「広告」です

医療広告ガイドラインについて

『医療機関ホームページガイドライン』というものをご存知でしょうか。

人の健康や生命に関わる医療行為は、その「広告(看板・チラシ等)」のあり方が“医療法”によって厳しく定められているのに対して、インターネット上のホームページは「広告」とはみなされていないので明確な決まりがありませんでした。

しかし、やはり健康や生命に関わる内容なので無法地帯というわけにはいきません。 医療機関のホームページの適切なあり方を示すため、2012年に厚生労働省が作成したのが『医療機関ホームページガイドライン』です。

現状ではホームページは「広告」ではなく、『ガイドライン』はあくまでも指針なので、虚偽・薬機法違反・著しい誇大など、他の法律に抵触する場合を除いて罰則が適用されることはありません。 ところが、インターネット上の情報が原因の消費者トラブルが増加し続けているという背景を踏まえ、ホームページも「広告」に加える動きが着実に進行しているのです。

まずは現状(2017年度)の整理をしましょう

2017年6月。“医療法”の改正法が公布されました。

その内容の目玉の一つが「医療に関する広告規制の見直し」で、すでに次のような方針が決定しています。

【美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議(消費者委員会 平成27年7月)】

1.医療機関のホームページを医療法上の「広告」に含めて規制の対象とすること。

2.(1が行うことができない場合)少なくとも医療法に基づき禁止している虚偽広告や誇大広告等については、医療機関ホームページについても禁止すること。

「医療法等の一部を改正する法律の概要(医療に関する広告規制の見直し)」の掲載より抜粋

インターネットを使った情報発信や集客が一般的になり、多くの人がホームページを閲覧するようになったことで、医療機関ホームページが原因の消費者トラブルが増加しています。

以前からホームページが広告規制の抜け道になっていると問題視されていましたが、ここにきて厚生労働省が本格的な対策に乗り出したのです。

今回公布された法律は、施行が公布日から1年以内と定められています。

2018年6月までに、医療機関ホームページに対する規制が開始されるのです。

しかし、現在「広告(看板・チラシ等)」で認められている項目は、医師名・診療科名・提供される医療の内容など、非常に限定的です。 もし、ホームページまで「広告」として規制が適用された場合、情報提供の場としてのホームページの魅力まで損なわれ、患者が知りたい情報が得られなくなる可能性もあります。 そのため、現在、いくつかの規制を例外的に解除することが議論されています。

現行と2018年6月(予定)の変更

医療広告ガイドライン説明図1

現状でも危ない。確実に守らなければいけない3項目

医療

具体的にどのような表現が問題になるのでしょうか。

広告表現などに問題があった場合、都道府県の担当者などから行政指導や是正命令があるのが一般的です。

正当な理由なくこの改善命令に従わなかった場合、実際に罰せられることになります。

しかし、行政指導や是正命令を経ずに直接刑事罰が適用されるケースがあります。

その代表的なケースが、

  • ・虚偽
  • ・薬機法違反
  • ・著しい誇大

の3つです。

しかも、この3項目の根拠は“医療法”ではなく、“景品表示法”と“薬機法”なので、現状でもホームページに適用されるということに注意しなければいけません。

病院のホームページで特に注意しなければならないのが未承認医薬品の広告です。 厚生労働省の認証が得られていない薬品や治療法の広告だけではなく、認証を受けていない使い方の広告も“薬機法”の違反にあたります。

また、病人が回復して元気になる姿のイラストや写真を載せることも、「回復を保証する」という誤認を与える恐れがあることから、“景品表示法”違反で行政処分の可能性があると考えられます。

そしてもちろん虚偽の記載は処分の対象です。 責任ある医療機関として、ホームページの内容に虚偽・薬機法違反・著しい誇大にあたる表現がないか、いま一度確認することをお勧めします。

ホームページ制作で絶対に行ってはいけない項目

医療広告ガイドライン説明図2

ホームページにはどこまで載せてもいいのか

ホームページを制作する上で重要になってくるのは、どのような表現なら掲載してもいいのかです。

現在、ホームページを広告に含めた場合に「情報提供の場」という役割を損ねてしまわないよう例外規定が議論されている段階です。 そのため、前章で紹介したような絶対に行ってはならない項目を除いて、どんな項目がホームページに掲載可能で、どんな項目が行政処分の対象になるのかは明確にはなっていません。

そこで一つの基準となってくるのが、すでに発表されている『医療機関ホームページガイドライン』です。 現状ではこの内容に基づいた行政指導はあっても(自治体によって行政指導の積極性は大きく異なっています)、罰則が適用されることはありませんでした。 しかし、今後は『ガイドライン』をもとにホームページで許される項目の線引きがされる可能性が高いため、その内容を詳しく把握しておく必要があると考えられます。

そこで、『医療機関ホームページガイドライン』の中の、とくに注意が必要な幾つかの項目について確認しておきましょう。

(詳しくは厚生労働省HPを参照してください。)

4 ホームページに掲載すべきでない事項

(3)内容が誇大なもの又は医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調

1.任意の専門資格、設備認定等の誇張又は過度な強調

医療機関の広告では、医師56種、歯科医師5種(2017年9月現在)の資格名についてしか広告することができません。(一覧は厚生労働省HPを参照

たとえば歯科医師なら、「口腔外科専門医」や「歯周病専門医」といったものです。 客観的に活動実績があると認知されている団体を除き、これら以外の資格をホームページに列記することは、内容が誇大だと指摘されてしまう可能性があります。

2.手術・処置等の効果・有効性を強調するもの

撮影条件を意図的に変えて撮影した手術前後の写真を掲載することは、ホームページを訪れた人に誤解を与えるおそれがあるため規制の対象になる可能性があります。『医療広告ガイドライン』では、治療の前後のイラストや写真を載せることは、治療の効果を保証する表現にあたるため、広告できないとしています。 手術などの治療結果としてではなく、症状の写真として掲載することも、治療の効果の表現にあたるため広告できないとしているのです。

しかし、これではホームページを訪れる患者の知る権利をも損ねてしまうおそれがあるため、ホームページにはどのような事例を掲載することができるのかについて、現在議論が行われています。 なお、治療結果について分析し、その結果を発表する旨については広告することができます。 また、患者の求めに応じて治療成績を提供することには問題ありません。

3.医療機関にとって便益を与える体験談の強調

たとえば口コミなどの体験談の中から、病院にとって有利になる感想だけを意図的に取捨選択して強調することは、ホームページを訪れる人に誤解を与える原因になるため望ましくありません。 口コミだけではなく、雑誌や新聞などの記事からの抜粋もこれに当たる可能性があります。

しかし、それでは客観的事実も掲載できなくなってしまうおそれもあり、最終的にどのような位置づけになるかは現時点で決められていません。 一方、雑誌社やテレビ局からの依頼に応じて記事を出稿したり、出演したりすることは広告には当たらず、まったく問題ありません。

(7)医療法以外の法令で禁止されるもの

1.薬事法

“薬機法(旧薬事法)”では、承認前の医薬品・医療機器の名称、効能・効果、性能などについて広告することが禁止されています。 そのため、たとえば歯科における「インビザライン」「3mix法」「レーザー」などはホームページでも規制の対象になってしまう可能性があります。

“改正医療法”の施行後は、“薬機法”で承認されていない医療機器や医薬品を使った治療方法については、「全額自己負担」「自由診療」などと注釈をつけたとしても原則として広告できなくなると考えられます。 ただし、ホームページの「情報提供の場」としての役割を損ねてしまうおそれもあるため、例外規定の必要性があるかどうかについて現在議論が行われています。

5.ホームページに掲載すべき事項(自由診療を行う医療機関に限る。)

(1)通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項

ホームページが広告として扱われた場合、たとえば歯科医院では、審美歯科やインプラント科は診療科目として掲載できなくなってしまいます。 これらは広告可能な診療科名に含まれていないためです。

(一覧は厚生労働省HPを参照)

では、審美歯科やインプラント治療の説明をホームページでできなくなってしまうのでしょうか。

じつは“医療法第6条の5台1項第11号”の要件にあるように、厚生労働大臣が定める検査・手術・治療の方法であれば、“広告告示”で定められたものに関して広告することができます。 審美歯科やインプラント治療は、“平成19年厚生労働省告示第108第2条第1号から第5号”で規定された方法であれば、治療の方法について説明することができます。

ゼロメディカルの対応方針

“改正医療法”の施行は、公布日の2017年6月から1年の間と定められているため、今はまだホームページが広告として扱われているわけではありません。 しかし、これから病院のホームページを制作するのなら、絶対に“改正医療法”や『医療機関ホームページガイドライン』に対応させることをおすすめいたします。

医療法改正のイメージ

医療広告ガイドライン説明図3

ゼロメディカルでは、制作スタッフ一同が弁護士主催の勉強会に参加するなど、『医療機関ホームページガイドライン』に定められている規範を逸脱しないホームページ制作を心がけます。 しかし、規制事項は多岐にわたり、自治体によって基準が異なる事例も存在しているため、大手企業でもたびたび指摘を受け、そのたびに修正を繰り返しているのが現状です。

記事の中で紹介した「絶対に行ってはいけない3項目」を除き、ホームページの表現に問題があった場合、まず都道府県の担当者から是正命令の電話・メール・書面が届きます。 これらの通知を受け取った際には、すぐにゼロメディカルにお知らせください。 できる限りの対応をとらせていただきます。 是正命令の時点でしかるべき対応をとれば、罰則にまで発展する可能性はほとんどありません。 ご協力をお願いいたします。

医療広告ガイドラインに関する情報をこちらで随時更新しています。