いまや整骨院店舗数はコンビニ並み!生き残るカギは予防重視の取り組みで業界の動向をチェック
2017年、タウンページを運営するNTTタウンページは接骨・整骨院業界の最新の動向を発表しました。それによると、整骨院の店舗数は2014年末には初めて45,000店を超え、コンビニエンスストアの約56,000店と肩を並べようとしていることが明らかになりました。街を歩けば「もみほぐし」や「骨盤調整」の看板を良く見かけるようになり、実感としても競争が激化していると感じます。
柔道整復師学校の生徒数の定員は高い水準が維持され、今後も供給は増え続けることが予想される整骨院業界。生き残るためにはどのような方向性を目指せばいいのでしょうか。

若い柔道整復師がどんどん生まれています。
◆増え続けている整骨院、柔道整復師
まずは整骨院や柔道整復師の数がどのように推移しているのかを確認しておきましょう。NTTタウンページの発表によると、接骨院・整骨院の店舗数は2004年には27,771店だったのに比べ、そのわずか10年後の2014年には45,572店と倍近い伸び率を見せています(NTTタウンページHPより)。コンビニエンスストアの店舗数は近年伸び悩んでいることから、数年後には肩を並べる水準に達するかもしれません。
一方、柔道整復師になるために必要な柔道整復師学校の施設数も高い水準で推移しており、2015年の定員総数は7,848人と一時に比べるとやや落ち着いてきたとはいえ、それでも過去最高水準を維持していることには変わりありません。卒業生の9割以上が整骨院関連業務に就き、さらに約2割は新規開設を目指すため、今後も整骨院の数は増加していくことが見込まれています(厚生労働省の資料より)。
◆背景にある「健康ブーム」は今も加速中
整骨院が増えている背景にあるのが消費者の間に広がりすっかり定着した「健康ブーム」です。高齢化が進んで身体に慢性的な不調を抱える人が増加していることに加えて、若い世代でもパソコン中心の生活環境に変化したことで運動をする機会が減少しています。さらに医学が進歩したことで、運動不足や高いストレスが健康、とりわけ生活習慣病に少なくない悪影響を与えてしまうことが解明され、メディアでも繰り返し取り上げられました。いまや人生80年ではなく、人生100年時代を見据えた社会が訪れようとしている中、「なるべく元気な期間を長くしたい」、さらに「元気なうちは好きなことをして過ごしたい」という需要がかつてないほど高まっていると考えられます。
この「健康ブーム」は、見方を変えると「予防意識の向上」だと捉えることができるでしょう。つまり、病気になる前から健康のことを念頭に置いた選択をして、なるべく病気を遠ざけようという意識が根底にあります。
「予防意識の向上」は国も積極的に推進しています。厚生労働省は2年に1度、医療や介護にかかわる診療報酬の見直しを行っています。診療報酬にはそのときどきの世相や国としての目標が色濃く反映されており、たとえば前回2016年の改定では医療の効率化を目指して「役割分担」が大きなテーマに据えられていました。平成30年診療報酬改定では、『人生100年時代を見据え、国民一人ひとりの予防・健康づくりの意識を養成し、健康寿命を延伸する』ことが必要だということが基本方針として定められています(厚生労働省の資料より)。膨らむ医療費を少しでも抑制するためにも、病気を未然に防ぐ予防の重要性はますます高まっているのです。
◆これからの整骨院に求められる課題は?
このような傾向を踏まえると、これからの整骨院業界には身体機能低下の予防という役割がますます期待されることになるのではないでしょうか。今、要介護状態に陥る入り口の一つとしてロコモティブシンドローム(通称ロコモ)が注目されています。ロコモは筋肉の質が低下することで身体機能が徐々に低下していく段階ですが、運動不足が主要な要因です。なぜ運動不足になるのかを調べた全国的な統計はありませんが、アスリートでもない一般人にとって成果の見えづらい予防のための運動には喜びを感じにくく、続けようという意識が根付きにくいということが容易に想像されます。
そこで腰痛や膝の痛み、もしくはダイエットなどをきっかけに整骨院を訪れた客に対して、積極的に運動による改善を促していくことができるようなサービスが提供できれば、顧客の潜在ニーズを掘り起こすことにつながると共に、地域の健康増進としての整骨院の役割が向上されるのではないでしょうか。このような質の高いサービスを展開するためにはスタッフ一人ひとりの施術以外の能力、たとえばカウンセリング能力が必要です。カウンセリング能力を向上させるためには、綿密な研修、もしくは採用の強化が不可欠でコストもかかります。しかし、最近の消費者動向の特徴として挙げられる「コスパ意識」「メリハリ消費」を攻略するためにも効果的な施策であり、今後始まることが予想される店舗淘汰に生き残るためにはとても重要なことのように感じます。
○コスパ感覚
効果に見合った価格、また価格以上の効果だと感じたら、渋らずに消費するのが最近の動向だといわれています。効率化重視でサービスの質を落とすよりは、効果重視でホスピタリティー向上を狙ってみてはいかがでしょうか。オリジナリティーを出すことは、増加し続けるライバルとの差別化にもつながります。
○メリハリ消費(ご褒美は贅沢OK)
生活必需品への出費はまだまだ財布の紐が硬いまま。でも、月に1度の自分へのご褒美としてなら消費意欲が向上しています。毎週の施術を勧めるのが難しそうなら、月1の特別なリラックスタイムとして提案してみてはいかがでしょうか。

カウンセリングができれば大きな力になります。
◆強みはHPで積極的にアピールして
競争にさらされている整骨院の中には、地域の健康増進に主眼を置いた活動をとっくに始めているところもあるかもしれません。最近では整骨院主催・協賛のランニング会、身体能力測定会などもしばしば耳にします。健康である人が増えること、そして健康で居続ける期間が長くなることは、当人の幸せにはもちろん、社会全体の活気にも大きな影響を与えます。そのためにも、整骨院の役割は今後ますます重要視されていくでしょう。
しかし、消費者の間には整骨院と整体院の違いや、柔道整復師の資格についての知識はあまり普及しているとは言いがたいのが現状です。柔道整復師学校で身体について勉強し、国家資格を得た柔道整復師だからできる施術の特徴についてはもっと積極的に消費者に訴えかけてもいいのではないでしょうか。そのほうが、消費者にとっても店舗選択の正しい目を持つきっかけとなり、整骨院業界全体の信頼感を醸成することにもつながると感じます。
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